米国市場の全体的な動き
2025年6月9日週のS&P500は、週末にかけて軟調な展開となり、結果として週間ベースでは下落した。終値は5,976.97ポイントとなり、前週終値である6,000.36ポイント(6月7日終値)から23.39ポイント、率にして約0.39%の下落である。


週初はCPI発表への期待感から買いが先行したが、6月13日(木)以降は利下げ見通しの後退と、ミシガン大学消費者信頼感指数の悪化を受けて売りが優勢となった。
また、イスラエルによるイランへの空爆が伝えられたことで中東情勢が再び緊迫化し、地政学的リスクの高まりが株式市場に対して追加的な重しとなった。特にエネルギー関連や防衛関連以外の銘柄ではリスク回避の売りが目立ち、相場全体の上値を抑える要因となった。
CPIとFOMCの影響
6月12日に発表されたCPIは前年同月比3.3%上昇と、市場予想の3.4%を下回った。コアCPIも4.0%とやや鈍化し、市場には安堵感が広がった。しかし翌13日に行われたFOMCでは、金利は据え置かれたものの、年内の利下げが1回にとどまるとの予測が示され、タカ派的な姿勢が意識される結果となった。


これを受けて、金利敏感株を中心に調整色が強まった。
セクター別の動向
この週は全体的に調整ムードが強く、セクター別ではエネルギー(-2.4%)、金融(-1.9%)、不動産(-1.5%)などが下落。公益や生活必需品といったディフェンシブセクターも軟調で、逃避先にはなり得なかった。
一方、情報技術セクターは相対的に底堅く、エヌビディアやアップルなどの主力ハイテク株は週中に一時上昇したものの、週末にかけて利益確定売りが優勢となった。


経済指標と今後の見通し
6月14日に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は68.5と、前月の69.1から低下し、市場予想も下回った。インフレ期待も1年先で3.3%と上昇したため、FRBの金融政策に対する警戒感が再燃した。


今後は6月末に予定されているPCEデフレーターの発表と、7月初旬の雇用統計が注目される。これらが軟調な内容であれば、再び利下げ期待が高まる可能性がある。
投資信託での動き(S&P500連動型)
S&P500に連動する日本国内のインデックスファンド「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も今週は下落した。6月7日時点での基準価額は26,498円だったが、6月14日時点では約26,390円前後と見られ、約0.4%程度の下落幅。


円安傾向が下支えにはなったが、米国株安の影響を補いきれず、ファンドの基準価額も調整した。
インデックス投資家としての戦略整理
S&P500が調整局面に入ることは、むしろ長期投資家にとっては好機でもある。特に積立投資を続けている場合、安値での買い付けが平均取得単価を引き下げる効果をもたらす。


筆者のように積立を停止して運用フェーズに入っている者にとっても、リバランスやポートフォリオ再評価の好機と考えられる。資産形成期と異なり、出口戦略においてはボラティリティとどう向き合うかが鍵である。


まとめ
2025年6月9日週のS&P500は、前週比で23.39ポイント(-0.39%)の下落となり、やや調整色を見せる週となった。インフレ指標は鈍化したものの、FOMC後の利下げ見通しの後退が相場の重石となった。
主力ハイテク株は持ち直したが、週末にかけての下げが響き、指数全体としてはマイナスで引けた。投資信託も影響を受けたが、長期的視野を持つことで、このような週も冷静に受け止めたい。

