2025年度の国民健康保険料(国保料)の上限引き上げが決定され、加入者の負担増が懸念されている。少子高齢化や医療費の増大により、社会保険制度の財政状況は厳しさを増している。本記事では、国民健康保険の仕組み、2025年度の国保料上限引き上げの具体的な内容、影響を受ける層について解説する。
国民健康保険とは?
国民健康保険(以下、国保)は、日本の公的医療保険制度の一つであり、主に自営業者や無職の人が加入する制度である。健康保険に加入していない人が対象となり、市町村や国保組合が運営している。
国保の目的は、すべての国民が適切な医療を受けられるようにすることにある。そのため、加入者は毎月保険料を支払い、医療費の一部を負担することで病院や診療所での治療を受けることができる。
国保の保険料は、所得に応じて算定され、自治体ごとに異なる。また、世帯ごとに納付する仕組みとなっており、世帯主が家族全員分を支払うことになる。


国民健康保険料上限の引き上げとは
国民健康保険料には、年間で支払う金額の上限が設定されている。2025年度には、その上限が引き上げられることが決定している。
具体的には、現行の年間上限額89万円が、2025年度から92万円に引き上げられる。これは、厚生労働省が保険財政の改善を目的として実施するもので、現行の89万円から3万円の増額となる。
背景には高齢化の進展に伴う医療費の増加があり、持続可能な制度運営のための対策として実施される。具体的には、年収約1170万円以上の単身世帯など、加入者全体の1.5%が対象となる見込みである。
なお、40歳から64歳の加入者が納める介護保険料の上限額17万円は据え置かれ、両者を合わせた保険料の上限額は109万円となる。


これで4年連続の引き上げとなるが、安定した医療保険制度の維持のため、所得の高い層により多くの負担を求める形となっている。
主に影響を受けるのは?
国保料上限の引き上げが行われることで、影響を大きく受けるのは以下のような人々である。
1. 高所得の自営業者・フリーランス
国保料の上限が引き上げられることで、特に所得の高い自営業者やフリーランスにとって負担が増すことになる。これまで上限に達していた人は、さらに高い保険料を支払うことになる。具体的には、年収約1170万円以上の世帯では、負担が2.8%増える試算となっている。
2. 高齢者世帯
高齢者は一般的に医療費の負担が大きくなるため、保険料の増加は家計に影響を与える可能性がある。特に年金収入のみで生活している人にとっては、大きな負担となる。
3. 一定の所得がある無職の人
定年退職後に一定の資産収入がある人も、影響を受ける可能性がある。年金収入や不動産収入がある場合、国保料の上限引き上げによって、負担が増す可能性がある。


まとめ
2025年度の国民健康保険料の上限引き上げは、社会保障制度の持続可能性を確保するために必要とされている。しかし、それにより高所得層を中心に負担が増すことになる。
特に影響を受けるのは、高所得の自営業者やフリーランス、高齢者世帯、一定の所得がある無職の人々である。国保の財政改善のためには必要な措置であるが、個々の生活に与える影響も無視できない。
今後、具体的な上限額の引き上げ幅や自治体ごとの対応が発表されることになるため、国保加入者は最新の情報に注目し、自身の負担額を把握することが重要である。

