日本の半導体関連株はまだまだ有望なの?

半導体関連株
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はじめに

AI、IoT、自動運転、そしてデータセンターの拡大──。世界中で情報処理の需要が急増する中、その中心にあるのが「半導体」である。とりわけ2020年代後半に入り、日本の半導体関連企業が再評価される流れが強まっている。これまで“日の丸半導体”と呼ばれた時代から一時は勢いを失ったが、製造装置・素材の分野で世界的な存在感を取り戻しつつあるのだ。この記事では、半導体産業の現状と日本勢の強み、今後の展望を独自の視点で掘り下げていく。

世界の半導体市場は拡大期へ

半導体はあらゆる産業の基盤であり、もはや「情報社会の血液」ともいえる存在である。スマートフォンやパソコンだけでなく、電気自動車、家電、医療機器、さらには農業や建設機械に至るまで、あらゆる分野に半導体が組み込まれている。特に近年のAI(人工知能)ブームは、これまでにない規模で半導体需要を押し上げた。ChatGPTのような生成AIの利用拡大に伴い、膨大なデータを処理するGPUや高性能メモリの需要が急増している。

米国のエヌビディア(NVIDIA)を筆頭に、AI処理向け半導体の需要は過去最高水準を記録しており、この波は日本にも及んでいる。さらに、自動車業界では電動化と自動運転が進み、1台あたりに搭載される半導体の数はガソリン車の2倍以上といわれる。こうした構造的な変化は、景気の浮き沈みを超えて長期的な需要を支える原動力となっている。

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AIもEVも、すべては半導体なしでは動かない。まさに“21世紀の石油”といえる存在だ。

日本企業が世界で支持される理由

日本の半導体関連企業の強みは、チップそのものではなく、その製造工程を支える装置と素材にある。東京エレクトロンは成膜装置やエッチング装置で世界トップクラスのシェアを持ち、SCREENホールディングスは洗浄装置で圧倒的な技術力を誇る。ディスコはウエハーを精密に切断するダイシングソーの分野で世界シェア約70%を占めており、まさに日本の精密加工技術が結集した産業といえる。

さらに、信越化学工業やSUMCOなどの素材メーカーも、日本が世界市場をリードする存在だ。これらの企業が製造する高純度シリコンウエハーは、半導体の基礎材料として世界中のファウンドリー(受託生産企業)に供給されている。半導体がどれほど進化しても、土台となる素材や加工技術は日本抜きには成立しない。この“縁の下の力持ち”の存在が、今まさに脚光を浴びているのだ。

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日本はチップ製造で遅れを取ったが、装置と素材の分野では依然として世界を支配している。

調整局面でも底堅い業績

2024〜2025年にかけては、一部のメモリー分野で在庫調整が進んでいるが、これはあくまで景気循環の範囲内だ。生成AIやクラウドサービスの需要は引き続き堅調であり、製造装置メーカーへの受注は中長期的に高水準で推移している。実際、東京エレクトロンやディスコは過去最高益圏で推移しており、為替の円安も輸出企業の収益を後押ししている。

また、製造装置は景気敏感な一方で、1台あたり数億円〜十数億円という高単価ビジネスであるため、限られたプレイヤーが市場を支配している。高い参入障壁と技術力によって、日本企業は安定した収益構造を維持できているのだ。

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半導体業界は景気循環産業と思われがちだが、トップ企業の競争優位は簡単には崩れない。

政策支援が生み出す「国内回帰」

日本政府は「半導体・デジタル産業戦略」を掲げ、国内生産体制の再構築を進めている。代表的なのが、北海道千歳市で建設が進むラピダスの先端半導体工場だ。さらに、台湾TSMCの熊本工場も稼働を控えており、日本国内における半導体供給網の再生が本格化している。これにより、製造装置・部材を供給する日本企業にも新たな商機が広がっている。

加えて、経済安全保障の観点から、政府は研究開発や人材育成への支援も強化している。半導体技術者の再教育プログラム、大学との連携研究、国際共同開発など、裾野の広い支援体制が整いつつある。長期的にみれば、こうした政策が日本の産業競争力を底上げすることは間違いない。

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かつての「失われた30年」は過去の話。政策と技術が噛み合えば、日本は再び主役に返り咲ける。

新しい成長分野:AI・パワー半導体・素材革新

AIの演算処理を支えるGPUやメモリだけでなく、次世代の成長分野として注目されているのが「パワー半導体」だ。これは電力の制御や変換を行う半導体であり、電気自動車や再生可能エネルギーの普及に欠かせない。日本では三菱電機、富士電機、ロームなどがこの分野で世界シェアを伸ばしている。

さらに、素材面でも進化が進む。従来のシリコンでは限界がある高電圧・高温環境に対応するため、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といった新素材の開発が加速している。これらの分野でも日本企業がリーダー的地位を築きつつあり、将来の成長余地は大きい。

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EV時代における“エネルギー効率の鍵”は、パワー半導体と新素材が握っている。

投資家が意識すべきポイント

投資の観点から見ると、半導体関連株は短期的な値動きが激しい一方で、長期では確実な成長産業である。重要なのは、単にブームに乗るのではなく、企業の競争優位性や財務健全性を見極めることだ。製造装置や素材メーカーは参入障壁が高く、利益率も安定しているため、長期保有に向いている。

また、ETF(上場投資信託)を活用してセクター全体に分散投資する戦略も有効だ。たとえば「グローバルX Japan 半導体ETF」などは、日本の主要関連株に幅広く分散できる。特定銘柄のボラティリティを抑えつつ、産業全体の成長を取り込むことができる点で、FIRE志向の投資家にも適している。

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個別株で攻めるもよし、ETFで守るもよし。重要なのは“成長産業に資金を置く”という発想だ。

リスクと注意点

もちろん、リスク要因も無視できない。まず、金利上昇局面では成長株全体が調整しやすく、半導体関連株も例外ではない。また、地政学的リスク──特に米中対立の長期化──が供給網や輸出規制に影響を与える懸念もある。さらに、AI投資の一服による一時的な需要鈍化も想定しておくべきだ。

しかし、こうしたリスクは“波”のようなものであり、構造的なトレンドを覆すものではない。むしろ、調整局面こそが有望企業を割安で拾う好機となり得る。

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リスクを恐れず、波の底で買える勇気こそが、長期投資家の最大の武器である。

まとめ

日本の半導体関連株は、技術革新と政策支援を背景に再び存在感を高めている。短期的な需給調整はあっても、AI、データセンター、EV、エネルギーといった成長テーマが確実に市場を支えている。製造装置や素材分野での日本企業の強みは揺るがず、今後10年を見据えた長期投資対象として十分に有望だ。ポートフォリオの一部に半導体関連株を組み入れることで、安定と成長の両立を目指すことができるだろう。

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