会社員のiDeCoの掛け金上限が増額したって本当?

iDeCo掛金増額
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はじめに

2025年に成立した法改正により、私的年金制度「iDeCo(個人型確定拠出年金)」が大きく見直されることとなった。特に注目を集めているのは、会社員の掛け金上限が2027年から月6万2000円に引き上げられるという点である。従来の上限(月2万3000円、企業年金加入者は2万円)からほぼ3倍に拡大するため、老後資金形成や節税の面で大きなインパクトをもたらす。本記事では、この改正の背景とスケジュール、節税効果の具体例、そして注意点をわかりやすく解説していく。

iDeCoの改正スケジュールと背景

今回の法改正は、国が掲げる「自助努力による老後資産形成の推進」を目的としている。企業年金を含む私的年金制度の枠組みを柔軟にし、働き方や雇用形態の多様化に対応することが狙いだ。主なスケジュールは次のとおりである。

  • 2026年4月:企業型DC(確定拠出年金)の掛け金上限を引き上げ。マッチング拠出(従業員が上乗せできる制度)の制限を撤廃。
  • 2027年分の所得控除から:iDeCoの掛け金上限が引き上げ。加入可能年齢を60歳から70歳へ拡大。

これにより、企業年金に加入していない会社員のiDeCo掛け金は月6万2000円まで拠出可能となる。さらに企業年金加入者も上限が拡大し、企業規模にかかわらず柔軟に老後資金を積み立てられる仕組みへと進化する。

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制度改正の本質は「自助努力を後押しする」ことにある。国の支援だけに頼らない姿勢が重要だ。

掛け金増額による節税効果

iDeCoの大きな魅力は、掛け金が全額所得控除の対象となる点にある。つまり、掛け金を増やすほど所得税と住民税が軽減される。たとえば、年収600万円の会社員が掛け金を月2万3000円から6万2000円に増やした場合、差額の月3万9000円(年間46万8000円)が追加で所得控除の対象になる。

所得税率10%・住民税率10%と仮定すると、年間で約9万3600円の節税効果が見込める。これを20年間続ければ、単純計算で約187万円の税負担軽減となる。控除による節税効果に加えて、積立金の運用益も非課税となるため、長期的にはさらに大きな差が生まれるのだ。

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税金を「払わないで済むお金」も資産運用の一部。iDeCoはその代表格である。

iDeCo

非課税運用による複利効果

iDeCoの利点は節税にとどまらない。運用中に得られた利益が非課税となるため、複利効果がより強く働く。仮に毎月3万9000円を20年間積み立て、年利3%で運用できた場合、元本936万円に対して運用益は約344万円に達する。5%で運用できれば、利益は約667万円に膨らむ計算だ。

通常の課税口座であれば、この運用益に対して約20.315%の税金(約70万〜136万円)が発生する。しかし、iDeCoならその税金をすべて回避できる。節税と運用益非課税を組み合わせることで、実質的なリターンは10〜15%以上高まる可能性がある。

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税金を“引かれない”というだけで、20年後の差は驚くほど大きくなる。

注意すべきデメリット

iDeCoは確かに魅力的だが、万能ではない。まず、原則60歳まで引き出せない点は最大の制約である。教育費や住宅購入など中期的な資金需要には対応できないため、生活資金や緊急予備費を確保した上で拠出する必要がある。

また、投資信託などの運用商品を選ぶため、元本割れリスクもある。定期預金型を選べばリスクは低いが、リターンも限定的だ。節税メリットを優先しすぎて、手元資金を圧迫するような拠出額設定は避けるべきだろう。

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「60歳まで使えないお金」と割り切ること。それがiDeCoを上手に使いこなす第一歩である。

これからの活用戦略

iDeCoの上限拡大は、会社員にとって老後資産形成の強力な追い風となる。ただし、節税額の最大化を狙うよりも、無理なく長期で続けられる金額設定が重要だ。月1万円でも効果はあり、ボーナス月に追加拠出する方法も検討できる。

また、2026年の企業型DC改正や2027年のiDeCo拡充に合わせて、勤務先の年金制度を確認することも欠かせない。企業型DCとiDeCoを併用する場合、合算の上限額を超えないように注意する必要がある。

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制度が複雑化するほど、「知っている人」が得をする。情報の更新を怠らないことが最大の防御である。

まとめ

iDeCoの拠出限度額が2027年から大幅に引き上げられることで、会社員の資産形成環境は大きく改善する。節税・非課税運用・長期複利という三拍子がそろうiDeCoは、まさに“老後資金づくりの王道”だといえる。ただし、生活費を圧迫しない範囲での拠出が前提であり、長期的な視点で無理なく続けることが成功の鍵となる。今回の改正をきっかけに、自分の年金制度を見直し、より効率的な資産形成を始めてほしい。

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