今週のS&P500の値動き概要
2025年5月19日週のS&P500は、全体として約2%の明確な下落で終えた。週初はFRB高官のタカ派的な発言や米長期金利の上昇を背景に売りが先行し、特に22日(水)には下げ幅が大きくなった。ただし、週末にかけては一部の好決算やテクニカルな下値支持によって売り一巡後にやや持ち直す場面も見られた。
終値は5,802.82ポイントで、週初(5月19日終値)の5,926.14ポイントからは約-2.08%の下落となった。2週続伸後の反落であり、明確な調整局面として投資家心理にも慎重さが広がった週である。


注目された経済指標とイベント
19日週に発表された主要経済指標は、株価に一定の影響を及ぼした。5月22日(水)に公表された米中古住宅販売件数は年率換算で412万件と予想を下回り、住宅市場の鈍化懸念を再燃させた。
また、同日に発表されたFOMC議事録では、数名の委員がインフレの再加速リスクを懸念し、追加利上げの可能性を排除しない姿勢を示した。この内容は株式市場にややネガティブに受け止められ、S&P500は大きく下落した。
23日(木)には新規失業保険申請件数が発表され、若干の増加が見られたが、労働市場の基調としては依然として底堅く、大きな不安材料とはならなかった。
個別銘柄の動向
個別銘柄では、AI半導体を手掛けるエヌビディア(NVIDIA)の決算が市場予想を大幅に上回り、株価は一時上昇したものの、利益確定売りに押されて週末にかけて上値は重くなった。特にデータセンター部門の好調が目立ち、前年比+92%の成長を記録した。
一方、ターゲット(Target)は業績の下方修正を発表し、小売株全体が売られる展開となった。消費者支出に対する不透明感が強まる中、他の小売銘柄にも波及的な売りが広がった。
金融セクターでは、長期金利の上昇を背景に一部の銀行株が買われたが、全体としては方向感に欠ける展開であった。ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)やJPMorgan Chaseなどが小幅に上昇した。


テクニカル分析の視点
テクニカル的には、S&P500は50日移動平均線(約5,750ポイント)を一時的に下回る場面も見られたが、週末にはやや戻してその水準近辺で推移した。RSI(相対力指数)は55前後まで低下しており、短期的には買い勢いの減速が示唆される。


5,850ポイント付近のサポートを割り込んだことで、今後は5,700~5,800ポイントのレンジが意識される展開となりそうだ。強気一辺倒から一転、慎重な地合いが色濃くなっている。
投資家のセンチメントと資金の流れ
VIX指数は14台まで上昇しており、前週の13台後半からやや警戒感が広がった。市場のボラティリティは依然として抑制されているものの、リスクオフムードがじわじわと漂い始めている印象である。
ETF市場では、「SPY」や「VOO」などインデックス連動型ETFへの資金流入が一服。半導体ETF「SOXX」もNVIDIA主導で物色される場面があったが、週末にかけて伸び悩んだ。
また、CFTC建玉報告によれば、S&P500先物に対するロングポジションは前週比で減少しており、一部の機関投資家がリスク回避的なポジション調整を行っている可能性がある。
今後の注目ポイント
翌週に発表予定のPCEデフレーターはFRBが最も注目するインフレ指標であり、結果次第では金利政策に影響を与えることになる。もし予想を下回る結果となれば、再び株式市場の追い風となる可能性がある。


月末に向けたリバランスの動きや機関投資家のポジション調整にも注目したい。指数全体の需給に影響を与える可能性があるため、突発的な値動きには要警戒である。


まとめ
2025年5月19日週のS&P500は、週初比で約-2.08%の下落となり、3週ぶりの明確な反落を記録した。FRBのタカ派姿勢や経済指標の鈍化が投資家心理に影を落とし、買い一巡後は利確売りに押される展開となった。テクニカル的にも上昇トレンドに一服感が見られ、今後は慎重なスタンスで相場に臨む必要がある週となった。

