都内50代夫婦の世帯年収の平均
50代に突入すると、子どもの独立や老後資金の準備、住宅ローンの返済など、人生のさまざまな局面が交差する時期である。特に東京都内で暮らす50代夫婦にとって、生活費や教育費、医療費の負担が重くのしかかる一方で、収入面ではキャリアの最終局面を迎え、収入のピークか、それに近い状態にあることが多い。
東京都が発表した「都民のくらしむき(2023年)」によれば、都内に住む50代勤労世帯の収入は、全国平均よりも高い傾向にある。以下では、50〜54歳と55〜59歳の世帯主がいる世帯について、収入の内訳を年齢別に整理し、具体的な年収・月収ベースで紹介する。
世帯主が50〜54歳の収入
この年代は、多くの会社員にとって役職に就いているケースが多く、給与も比較的高水準である。
| 区分 | 月収(万円) | 年収(万円) |
|---|---|---|
| 世帯主の収入 | 62.7 | 752.4 |
| 配偶者の収入 | 14.2 | 170.4 |
| その他の収入 | 3.8 | 45.6 |
| 合計 | 80.7 | 968.4 |
このように、50〜54歳の世帯では、年収の合計が約968万円にのぼる。配偶者の収入が全体の2割近くを占めており、共働きが家計を支える大きな要素であることがわかる。
世帯主が55〜59歳の収入
55歳以降になると、多くの企業では役職定年や給与体系の変更があり、収入がやや下がると考えられがちである。しかし実際には、世帯全体の収入はむしろ高くなる傾向が見られる。
| 区分 | 月収(万円) | 年収(万円) |
|---|---|---|
| 世帯主の収入 | 71.2 | 854.4 |
| 配偶者の収入 | 7.7 | 92.4 |
| その他の収入 | 4.9 | 58.8 |
| 合計 | 83.8 | 1005.6 |
50〜54歳と比較して、年収はおよそ37万円ほど上昇しており、収入面ではキャリアの最終盤に向けてさらに安定した状態にあることが示されている。


ちなみに、私の前職の給与明細は以下の記事で公開しているので、興味がある方はどうぞ。


年収の構造とライフスタイルへの影響
年収900万円〜1000万円というのは一見、余裕のある生活ができそうな印象を与えるが、都内の生活コストを考慮すると、それなりに引き締めた家計運営が求められる。
たとえば、住宅ローンや家賃に月15〜20万円、食費に10万円、保険や教育費、通信費などを合算すると、可処分所得の多くが固定費に消えてしまう。50代は老後資金の本格的な積み立ても始めたい時期であり、貯蓄に回す余力を持つためには支出の見直しが不可欠である。
また、配偶者がパートやフルタイムで働いているケースが多いため、共働きが標準化している点も見逃せない。配偶者の収入が年90万円〜170万円前後あることで、家計に一定のゆとりが生まれている。
都内と全国平均の違い
東京都内の50代夫婦の世帯年収は、全国の同年代と比較して100万円以上高い傾向にある。これは都市部に集中する企業の本社や高給与の職種の存在、また高い生活費を前提とした給与体系などが影響していると考えられる。


その反面、物価や地価、教育費などの水準も高いため、「年収の高さ=生活の余裕」とは一概に言えない。
老後に向けた備えとしてのFIRE意識
50代になると、FIRE(Financial Independence, Retire Early)という概念にも現実味が帯びてくる。特に収入のピークを迎えつつあるこの時期に、貯蓄率を高めることが将来の選択肢を広げるカギとなる。
FIREを目指すにあたっては、現在の年収をベースに支出を最適化し、投資や副業による収入の多様化を図ることが重要である。今回紹介した世帯年収の平均値を参考に、各家庭が自分たちの家計状況を客観的に見直すことが第一歩となる。


まとめ
東京都内で暮らす50代夫婦の平均世帯年収は、50〜54歳で約968万円、55〜59歳で約1005万円である。共働きが一般的であり、配偶者の収入も家計に大きく貢献している。
この収入水準は全国平均を大きく上回るが、それに比例して生活コストも高いため、余裕があるとは言い切れない。老後資金の準備やFIREへの備えを視野に入れ、現在の収支バランスを見直すことが求められる。
東京都内で生活する50代夫婦にとって、収入の把握と資産形成のバランスを取ることが、これからの人生設計において極めて重要なのである。

